チェダーチーズ製造時のレシピ

このレシピは、私たちがチェダーチーズを作るときに使っているものです。クリスチャン・ハンセン社のRシリーズ・チェダーカルチャー(R-704)と、STI-12(Streptococcus thermophilus)、LHB-01(Lactobacillus helveticus)の乳酸菌の混合物を使用しています。この組み合わせにより、熟成中の香り成分や旨味成分の増加が期待できます。
レンネットは使用量によって凝乳時間が異なるため、10~15分程度で凝乳する量を使用しています。カッティングは凝乳時間の3倍で行います。
チェダーチーズのバリエーションとして、ブラックペッパーやチリペッパーを使ったもの、ワインに漬けたものなども作っています。

This recipe is what we use when making cheddar cheese. We use a mixture of R-series cheddar cultures (R-704) from Christian Hansen, along with STI-12 (Streptococcus thermophilus) and LHB-01 (Lactobacillus helveticus) lactic acid bacteria. We expect this combination to increase the aroma and flavor components during the aging process.
Since the curdling time of rennet varies depending on the amount used, we use a quantity of rennet that curdles within about 10-15 minutes. The cutting is done three times the curdling time.
As variations of cheddar cheese, we also make ones with black pepper, chili peppers, and those soaked in wine.

チェダーチーズ作りました(4/29-4/30)

仲間でチェダーチーズを作りました。
牛乳は110ℓで6個のチェダーを作りました。1個の重量は2.2kg、アナトー色素を入れてオレンジ色に近い黄色に仕上げました。

アナトーリキッド を投入。          チェダリングとpH測定

一個はワインに漬け込んでワインチーズに、残り5個はプレーンのチーズでした。

家で出来るクエン酸を使ったモッツァレラチーズを作ってみました。

生乳が4ℓあったので、SNSなどに掲載されているクエン酸とレンネットを使い簡単に出来るモッツァレラチーズを作ってみました。

用意したものは、
・大きな鍋
・かき混ぜるためのお玉
・ナイフ
・ザル
・ボール
・温度計
・pHメーター(無くても良い)

SNSにあったレシピ



牛乳にクエン酸を入れ、pHを測ってみるとpHは6.1〜5.9程度、通常モッツァレラチーズを加工する場合、チーズカードのpHは5.3〜5.2であることからpHが高いと感じた。チーズが伸びないのではという不安がよぎる。

温度を上げレンネット投入、10分放置、きれいに固まっていたので、ナイフでカット。


手順に従ってカードとホエーをザルで分離しましたが、カードのまとまりが悪かったので、カードを電子レンジで10秒程度温めたら、少しまとまりが出てきて、チーズの伸びも感じられるようになりました。

このカードを80℃まで加熱しホエーの中へ入れ柔らかくしてから、折りたたみを繰り返しながら、艶が出るまで練ってモッツァレラチーズに成形して水の中へ入れました。3.8ℓの牛乳で4個〜5個出来ました。

出来たチーズを試食してみると、ギシギシとした硬い食感でした。
原因は、クエン酸の量が少なくpHが高かったか、折りたたみが多すぎたか定かではありませんが、次回は変更した以下のレシピで挑戦してみます。

なお、
クエン酸は食品に使用できるものを使用してください。
レンネットはアマゾン等でタブレット状の物が販売(液体よりも保存が簡単)されています。

仲間とCheddar Cheeseを作りました(4月20日-21日)。

注文していたアナトーリキッド がイギリスからようやく届き、それを使って黄色いチェダーチーズを作りました。

使用した乳酸菌はクリスチャンハンセン 社のR-704他3種類を混ぜて使用しました。

カードのpHを5.4になるまでチェダリングを行い、カードをカットしてそのままモールドしたものやカードを小さくカットして黒胡椒を混ぜてモールドしたもの、カードを大きくカット、不揃いにカット或は小さくカットしたものにワインを振りかけてからモールドしたものの3種類を作りました。

重石をかけて一昼夜、モールドから取り出すときのワクワク感。

出来上がったすべてのチーズの最終pHは5.1〜5.3の間で満足のいくものでした。

次回はアナトーリキッドの量を今回の倍にしてオレンジ色になるようにしたいと考えています。

4ヶ月後のカットが楽しみです。

Cheddar Cheese作り(2023/4/12 – 4/13)

今回も注文したアナトーリキッドが入荷しなかったことから着色していない昔ながらのチェダーになりました。

特徴としては、多くのチーズがグリーンチーズになった段階で塩漬けしますが、チェダーはカードの段階で塩を加え、成形しグリーンチーズにします。今回はプレス終了後、表面乾燥を待たず真空パックしました。
真空パック前のグリーチーズのpHは5.3と正常範囲内に入っています。

次回はアナトーリキッド が手にはいるので、オレンジ色にしようと思っています。

どのチーズも同じ形なのは、施設にあるゴーダ用のモールドを用いているからです。

GRANA,CHEDDAR CHEESEの製造 ( 2023/02 〜 03 )

生産抑制のため牛乳を廃棄する酪農家さんから、ただ廃棄するよりチーズ作りにでも活用してとの話がありました。
以前からグラナチーズやチェダーチーズを作りたかったことからこれに挑戦してみました。

グラナチーズ
グラナチーズはパルミジャーと同じ作り方ですが、1日に製造できる回数、熟成期間、添加物 (卵白リゾチウム )の配合と生産地域での認証の関係から区別されています。
今回は製造施設にある設備と機材の関係から既存の機材を利用して作りました。

出来たチーズは本来裸のまま熟成するのですが、冷蔵庫の野菜室という環境で保存することから急激な乾燥から守るため真空パックにしました。

一年間熟成します。

チェダーチーズ
チェダーチーズはアナトーと言う植物色素でオレンジ色に着色されていますが、今回はこのアナトーリキッドが入手できなかったことから着色していない昔ながらのトラディショナルチェダーにしました。

特徴としては、多くのチーズがグリーンチーズになった段階で塩漬けしますが、チェダーはカードの段階で塩を加え、成形しグリーンチーズにします。
次回はアナトーリキッド を加え、オレンジ色にしようと思っています。
( 着色料の種類は沢山がありますが、チーズの着色にアナトーが使われるのは、他の着色料と比べ、タンパク質への着色能力が高いと言う理由で用いられます。)

どのチーズも同じ形なのは、施設にあるゴーダ用のモールドを用いているからです。

初乳でモッァレラチーズを作った。(2022/9/23)

写真はありませんが、酪農家さんからお産してから6日目と7日目の牛乳を頂きました。
初乳に関する論文で初乳の成分やその変化の様子を確認し、モッァレラチーズを作ることにしました。
お産の前に餌としてトウモロコシが与えらていたらしく、低温殺菌している時からトウモロコシの匂いがして出来上がったチーズもミルクとトウモロコシの香りがありました。

We do not have a photo, but the dairy farmer gave us milk from days 6 and 7 after the birth.
I decided to make mozzarella cheese after reading a paper on colostrum to see the composition of colostrum and how it changes.
The dairy had been fed corn before giving birth, and the resulting cheese smelled of corn from the time it was pasteurized and had the aroma of both milk and corn.

2月18日のゴーダチーズ製造(予備圧搾方法の変更)

今回はゴーダーチーズの予備圧搾工程の見直しと塩を添加したリコッタチーズの試作を行いました。

予備圧搾から型詰めの工程は以下のように、多孔板を用いカードをチーズバットの片側に寄せ、寄せたカードの上に多孔板を載せその上に重石を載せ30分程度おき、その後ホエーを全て抜き、等分に分割し型詰めを行います。しかし、この分割・型詰めの際にカードを切断したり分割することで、カードが傷つきカードの成分であるタンパク質がある程度流れ出てしまいます。

我々はこのタンパク質の流出を防ぐ方法として、分割をしなくて済む型詰め方法を考えました。
それは型をチーズバット内のホエーとカードの中に入れ、カードをザルですくい型の中に入れ、チーズバットの中の温かいホエーの中で30分程度予備圧搾する方法です。
これにより圧搾する際に出ていた白いタンパク質の流出はなく、半透明なホエーだけが排出されることになりました。

リコッタチーズの製造
リコッタチーズを製造するにはクッキングの前段階で抜くホエーを利用する方法とクッキング終了と予備圧搾終了後に出るホエーを混ぜて利用する方法があります。リコッタチーズはこのホエーを80℃から95℃まで温め、クエン酸などの酸を加えて作ります。我々は今回この二つのホエーが40℃くらいになった段階で、リコッタチーズの粒を細かくするため、ホエー重量の0.1%の食塩を加えました。

その結果、クッキングの前段階で抜いたホエーではリコッタチーズの硬さや粒の大きさが丁度良く、市販されているリコッタチーズと同じような出来上がりでした。また、クッキング後のホエーでは粒が細かくなりすぎ、出来上がりがクリームチーズの様になりました。
どちらが良いかは、利用方法で考えることとなりますが、一回のチーズ作りで、目標チーズとリコッタチーズが2種できることが解りました。

クッキング : カードからホエーを除くためにお湯を加えて、攪拌する工程です。

9/18 ゴーダチーズの試作と発見

今回は、
・小谷アグリの亜麻シード(タネを挽いたもの)を練りこんだチーズ
・亜麻シードと黒胡椒を混ぜ、練りこんだチーズ
・ホールの黒胡椒を混ぜ込んだチーズ
・ホールの胡椒各種(黒、緑、白、ピンク)を混ぜ込んだチーズ
の4種類を作りました。

お昼は、頂き物のじゃが芋と保存していたチーズを使い、じゃが芋のガレットと持ち寄った美味しいおにぎりを頂きました。

また、今回のチーズ作りでは、発見がありました。
チーズ作りで不要物として扱われ、多くの工房では捨てられているホエーですが、当研究会では、このホエーからリコッタチーズを作っています。
しかし、ゴーダのホエーとモッツァレラのホエーでは、pHが違うことからリコッタチーズの出来に差が出てきます。
そこでpHの低いモッツアレラのホエーをpH6.4に調整し、リコッタを作っています。また、失敗を経て、コーダーのホエーでリコッタを作るときpH調整が不要なことわかりました。
また、ゴーダチーズを作る際、クッキング工程(お湯を加えて加温する工程)前のホエーとクッキング後のお湯を加えたホエーができます。このクッキング前のホエーは勿論、クッキング後のお湯がを加わったホエーでも同じようにリコッタチーズができることも確認できました。
これにより牛乳に含まれる、大方のタンパク質を抽出することができるようになり、自然環境にも優しいチーズ作りができるようになりました。

右の大きな入れ物に入っているのがクッキング前のホエーをpH調整してから作ったリコッタチーズ(キメが細かく滑らかな食感です)
左の小さい3つの入れ物に入っているのがクッキング後のホエー(pH調整なし)からできたリコッタチーズです(通常のものと変わりありません)。

パスタフィラータタイプチーズの製造研修

本日は、チーズ研究会の次世代を担う高校生に、チーズカードの作成方法を学んで頂きました。将来的には、高校生だけでチーズができる様になればと思っています。また、新たな試みとしてモッツアレラチーズの中にクランベリー、カシュナッツ、ピスタチオを練りこんだチーズ餅の試作なども行いました。

チーズカードの製造

生乳の殺菌、発酵管理

カードのカットとマッティング

ホエーを使ったリコッタチーズ作り。

この後、モッツアレラチーズ 、ストリングチーズ、ブラータ、チーズ餅(クランベリー、カシュナッツ、ピスタチオ入りモッツアレラ)の作成を行いました。

共働学舎でモッツアレラチーズ作り体験 ( 8/21 )

今日はチーズ工房で、どのようにモッツアレラチーズを作っているのか新得の共働学舎で製造体験等を行なってきました。体験は午後1時半過ぎから始まるため新得の「みなと屋」で昼食。

体験の受付後、始まるまで談笑して待つ。

別棟のカリンパニへ移動して製造体験開始。

体験は、チーズカードの製造、チーズ工房の見学、ピザ作り、モッツァレラチーズの成型、ピザへのチーズのトッピングとサラダ作り、試食で行われた。チーズカードの製造では、予め生乳の殺菌と乳酸菌の添加・発酵が行われており、乳酸発酵した生乳の試飲とレンネットの添加、凝乳、カット、ホエーとカードの分離を行なった。

カードとホエーの試食と試飲が行われた。共働学舎ではブラウンスイスの生乳を使用していることから、自分たちが普段使っているホルスタインの生乳と違い、脂肪分が多いため濃厚な味わいだった。カードが発酵する間、工房と農場の見学を行なった。工房では一個5kgあるラクレットチーズの反転・成型作業が行われていた。

カリンパニに戻り、ピザ作りとチーズカードの状態を確認。ピザは一人一枚、生地を直径12cm位に伸ばし、ソースを塗り、野菜をトッピング。続いてチーズカードの発酵具合をチーズカードの一部をお湯で温め、切れずに伸びることを確認。

全てのチーズカードを細かくちぎり(ミリング)、ちぎったものを木桶に入れ熱湯を加えてツヤが出るまで優しく練り上げる。艶が出てきたところでモッツァレラチーズの成型。

成型したモッツアレラチーズを氷水で冷却し、5%の食塩水に10分程度つけてからピザへトッピング、同時にカプレーゼも製造。出来たピザとカプレーゼを頂く。

今回の体験では、自分たちと同じ様な発酵管理を行なっている事、乳牛の種類による味の違い、加工方法の違いなどを実感した。

最後に共働学舎の宮島さんと記念写真

熱中に来ている高校生がチーズの加工をしました。

8月3日の高畠熱中小学校の卒業式に届けるためのモッツアレラチーズをさらべつ熱中小学校に来ている高校生2人が加工しました。

加工は冷凍保存しているモッツアレラカードをぬるま湯に浸けて解凍することから始まり。

解凍したカードを熱が通りやすいようにカット(ミリング)し、塩をまぶし、かき混ぜた後、85℃のお湯を加えて撹拌、カットしたカードの温度が65℃くらいになるまでかき混ぜます。

柔らかくなったカードをひとまとめにしてから、伸ばしては折りたたむという作業(練圧)をチーズの表面につやが出るまで数回繰り返します。この作業が楽しそうでした。

次にお餅の要領で丸めてちぎる(モッツアレラとは「ちぎる」という意味)、ちぎったものを冷水に入れ冷やす。さすが高校生です覚えが早く、綺麗に大きさも100g程度のものを作っていました。

おまけとして、薄く割いてから細かく切ったモッツアレラチーズに生クリームを混ぜ合わせもの餡としてモッッアレラチーズの中に入れたブラータというチーズも作成しました。これも作り方を教えると手早く綺麗に作っていました。なお、このチーズは足が速いので高畠へは持っていけません。

ブラータとモッツアレラチーズに塩・胡椒をふりかけ試食。オリーブオイルやバジルなどがあればもっとよかったのですが、それでもとても美味しいと好評でした。

ブラータとモッツアレラチーズ

・12日 パスタフィラータタイプのチーズカードを製造

本日(12日)、パスタフィラータタイプチーズのカードとリコッタチーズの製造を行いました。

朝7時、酪農家さんから100ℓの牛乳を購入、20ℓタンクに牛乳を15ℓ、重くて腰にくる。

器具の殺菌

牛乳の殺菌、殺菌はHTST殺菌(72℃15秒)に準拠。

生乳の殺菌

スターターの投入。殺菌後、42℃まで牛乳の温度を下げ、ここにバルクスターター( STI-12 , LH-B02 )を2ℓ投入し、15 〜 20分攪拌。

牛乳のpHがレンネットの至適pHである6.2になるまで待つ。

pHが下がるのを待つ間、ゴーダチーズのカットと袋詰めを行った他、ゴーダチーズの端っこを利用したチーズ煎餅を作る。

レンネット7ccを投入、牛乳は約8〜9分で凝乳。凝乳したカードをカット、カット後5分放置し、その後15分攪拌。ホエーを全量排出。

排出したホエーを大鍋に移し、リコッタチーズを製造

カードのpHが5.2になるまで、2回マッティング (チェダリング)。

カードがpH5.2になったら、カードを冷水で洗い、水の中に入れて温度を下げ、1kgの大きさに切り分けてから真空パックして急速冷凍した。

その後、以前に作り冷凍していたカードを利用し、「モッツアレラチーズ」と「いぶりがっこ入り牛乳餅」を作りました。

製造終了後、さらべつの「石釜ピザTSUKA」さんのご厚意により、自分たちが作ったモッツアレラチーズとリコッタチーズのピザとフォカッチャを頂き、最後にブリンも食べました。野矢さんも登場し我々が試作した「いぶりがっこ入り牛乳餅」を食べて頂きました。