市販牛乳で作った酸凝固チーズのミルク感について

酸凝固チーズを市販のホモジナイズされたUTH乳(乳脂肪2.5%)で作るとホモジナイズ処理で脂肪球が小さくなることからミルク感が強くなるのではと思っていたので、OpenAIのchatGPTに「ホモジナイズされたUHT乳で作る酸凝固チーズに、脂肪がどう取り込まれるか」を聞いてみました。

すると
① 脂肪球がどう変わるか → ② 凝固ネットワークとの関係 → ③ 食感への影響などの流れとして整理しくれました。

① 脂肪球がどう変わるか
ホモジナイズUHT乳では脂肪球径が 0.2–1 µm となり、表面の脂肪球膜が破壊されて脂肪球表面に超高温殺菌処理で変質したホエータンパク質(β-ラクトグロブリン、α-ラクトアルブミン)がκ-カゼイン複合体として表面を再被覆する。これによって脂肪球が「疎水粒子」から「タンパク質でコーティングされた疑似ミセル」になる。

② 酸凝固時に脂肪はどう取り込まれるか
・非ホモ乳の酸凝固ではカゼインミセルが主役で脂肪球はネットワークの空隙に閉じ込められるだけ (物理的トラップ)となる。
・ホモジナイズUHT乳の場合は脂肪球は表面にκ-カゼイン複合体を持ち、pH低下でカゼインミセルと同時に電荷中和されネットワーク形成に直接参加する。つまり脂肪球がフィラー(ネットワーク空間の詰め物)ではなく、チーズの構造要素となる。

③ -1 脂肪取り込みの3様式
a ネットワーク内包型(理想)
微細脂肪球が均一に分散し、カゼイン複合体と連結することから、結果としてなめらかでクリーミーであり離水が少ない。

b ブリッジ型(過剰ホモ・過剰UHT)
脂肪球が複数ミセルを橋渡し局所的凝集核になることから、結果として粒状感がありザラついて崩壊性が増大する。

c 排除型(条件不適)
pH降下が速すぎるたりCaが不足すると、結果として脂肪がネットワーク外に押し出されることから表面に油浮きやホエーの混濁が発生する。

③-2 食感への具体的影響
a なめらかさがアップ
脂肪球径の舌での感知限界は ≈2 µm であり、粒として感じないことからきめ細やかで滑らかな、軽い口当たりとなる。

b 弾性は減少し、塑性は向上する
脂肪球は硬い架橋を作らず応力を分散することから押すと潰れて戻らない。

c コクの感じ方
脂肪が構造に組み込まれているため口中での放出が遅くコクは最初ではなく後から感じる。

④ 脂肪量による挙動の違い(重要)
脂肪率         挙動
≤1%      粒化しやすい(骨格不足)
2–3%      最も安定・滑らか
≥4%      ブリッジ凝集・崩壊
つまり酸凝固チーズを作るUHT乳の最適脂肪率は2.5–3.5%

という回答が出てきました。そこでUTH乳を使った酸凝固や酸凝固への脂肪の取り込みに関する論文をchatGPTで探して、ざっと読んでみたら、chatGPTで得られた回答と一致するようです。

酸凝固チーズはノンホモの低温殺菌牛乳では最初に脂肪のコクを感じ、市販のホモジナイズされたUTH乳(乳脂肪2.5%)では後に脂肪のコクを感じるという結果となり、食味としては最初にミルク感を感じるノンホモの方が美味しいと感じる人が多いのではと考えています。

chatGPTは、ネットで確認できる学術論文や研究成果などから回答してくれることから、使い方によっては問題解決を早くしてくれます。
ただし、微妙な数値を利用する場合には別資料で確認するようにした方が良いと思います。
pHによるレンネットの使用量の違いを尋ねたところ一桁間違った解答を出してきました。chatGPTに間違いではないかと確認し、なぜ間違ったのかも確認しました。 
このことからchatGTPを利用する場合には、その回答を鵜呑みにせず、自分の持っている知識などと照らし合わせることが大切だと感じています。

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