今回のカマンベール作りには二つの課題があります。
一つは頂いた型を上手く使いこなせるかという事と凝固剤添加までの時間を早くする方法を探る事で以下のような方法を取りました。
1 型は大型のシンクにお湯を入れ、次亜塩素酸ナトリウム濃度200ppmの殺菌水を作り、その中に3〜4時間つけ置いてから水洗いをする方法で殺菌しました。
この型は一回で30個のカマンベールを作れるのですが、今回は半分の15個で作ります。



2 チーズ製造する生乳は当日朝8時頃に酪農家さんの所へ伺い、バルクタンクから頂いて来ます。
これを家で低温殺菌し、スターター培養物を加えるのは10時くらいになります。したがって型詰するのが16時過になります。
今回はこの型詰の時間を2〜3時間程度前倒しにする方法を探るため、スターター培養物の作り方を変えました。
市販の低温殺菌牛乳1ℓを30℃に加温し、乳酸菌、カビ菌を混ぜ、30℃の保温機の中で培養しました。( CHR.HANSEN が出しているフローラ・ダニカの温度-酸性化特性によると5時間程度でpH6.2位になるはず)
スターター培養物 ( 作業は朝4時30分に開始 )
・低温殺菌牛乳 1ℓ 3.3℃ ( 加温前pH 7.14 30℃の時のpH 6.6 ) 保温開始 05:20
・フローラ・ダニカ 1/8 tsp
・ジオトリカム・カンディーダム 1/32 tsp
・ペニシリウム・カンディーダム 1/8 tsp
少し汚れていますが、自家製の保温器です。


酸性化の経過
・低温殺菌し塩化カルシウムを添加した後のpH 6.66
・スターター培養物のpH 5.33 時間 10:10
牛乳量が1ℓで乳酸菌の量が15倍であることからpH値が低くなった。
・スターター培養物を加えた直後のpH 6.33
・一時間後のpH 6.25
・二時間後のpH 6.10
凝固剤投入( 1.5cc ) pH 6.10 時間12:05
凝集時間 6分 凝固時間 30分( 凝集時間の5倍 )
( 凝集時間が6分と早かったことから次回からは 1cc にします。 )
カット時間 12:35

型詰開始時間 12:45


高さ2/3にになったところで、ひっくり返し、その後数回ひっくり返し1/3の高さになったら型から外す予定です。ひっくり返すのが難しいく、傾いてしまうので、上下に揺さぶって正常に戻しています。
16:00の状況


ホエーの抜けるのが思いのほか早いことから、21時で型を外し、塩漬けを行いました。これから明朝まで塩漬けを行い6時間毎にひっくり返す。その後乾燥させてから一次熟成を開始する予定です。
21:30の様子

今回はスターター培養物の作り方を変えたことで型詰までの時間を2 〜 3 時間短縮することができた。また、新たな型の使い方とひっくり返す際の注意点がわかった。