私のカマンベーチーズは精製塩を使用して乾塩法で加塩していますが、ここでも塩の種類が議論のまとになることがあります。そこでカマンベールチーズにおいて塩の違いが熟成や香味にどのように作用するかを研究している資料があるかどうか探してみるとSpringerOpenと言うサイトの中にPhysicochemical changes during 4 weeks ripening of Camembert cheeses salted with four types of salts(4種類の塩で塩漬けしたカマンベールチーズの4週間の熟成期間中の物理化学的変化)と言う論文(アドレスは下にあります。)を見つけました。
この論文では精製塩、ベークド精製塩、天日塩、ヒマラヤ岩塩の4種類の塩を加塩に使用した場合のチーズの物理化学的変化(チーズの構成、熟成中のpH変化、生存生菌数の変化、水溶性窒素の変化、乳糖と有機酸の変化、タンパク質の加水分解による変化、揮発性脂肪酸の変化、質感の変化)と官能評価が書かれています。
官能評価では「 4種類の塩で塩漬けしたカマンベールチーズは、4 週間の熟成後、pH、生菌数、WSN、炭水化物の加水分解、有機酸、テクスチャー、タンパク質分解、 揮発性化合物、官能特性において、少しずつ異なる パターンを示した。精製塩を使用したカマンベールチーズの味覚スコアは、他の3種類の塩を使用した ものより有意に高かった。結論として、カマンベールチーズの製造には不純物を含まない精製塩を推奨すべきである。」と書かれていました。
この論文だけでは全てを評価できないと思いますが、この結果は私たちが以前「塩の違いによるチーズの味について」をブログで報告した結果に近いものであることから、カマンベールチーズの加塩にも精製塩を使用することにしています。
論文の掲載先
https://doi.org/10.1186/s13765-020-00539-5